講座423 「これでいい?」にどう対応するか
我が子がいちいち「これでいい?」って聞いて来ることがありますよね。
そんな時、親として心配になることがあります。
私が叱り過ぎているのかな?
それで子どもが親に確認するのなか?
私って子どもの自主性を育てていないのでは?
今回はそんな心配にお答えします。
2.「これしていい?」への理解と対応
3.安心を満タンにしてあげる
1.「クレーン現象」って知ってますか?
この動画は私の孫が10カ月の時のものです。
「クレーン現象」が見られたので動画を撮りました。
親の手を取って電卓を触らせていますよね。
これが「クレーン現象」です。
1歳前後なら誰にでも起こり得ます。
「お母さん、やってみて!」
そんな感じで、母親の腕をつかむのだと思います。
まだ言葉を獲得していないわけですから、クレーンが言葉の代わりです。
【理解の仕方】ちょっと不安なんだな。
【対応の仕方】お手本を見せる。
この時に、ゆっくりやったり、楽しそうにやったり、話しかけながらやったり、どこかで目を合わせたりすれば完璧です。
そして、お子さんが自分でもやり始めたら、それはうんとほめてあげてください。
不安を乗り越えて、小さな挑戦したわけですから。(参照:講座360 正しく理解「クレーン現象」)
2.「これしていい?」への理解と対応
幼児期になって言葉を獲得した後でも不安なことはあります。
そんな時に子どもは「これしていい?」と親に確認をします。
理解と対応の仕方は「クレーン現象」の時と同じです。
【理解の仕方】ちょっと不安なんだな。
【対応の仕方】安心させる→ほめてあげる
安心させる対応ですから「これしていい?」と聞かれたら「いいよ」と言うのが基本です。
基本ですから応用もあります。
「これしていい?」→「○○ちゃんはどう思う?」
こうやって聞いてみるという手もあります。
その結果、自分で決められたらほめてあげることができますよね。
「そうだよ。自分で決められたね!」
【対応の仕方の基本】安心させる
【応用として】自分で決めさせてほめる
ですから、とにかく「いいよ」と安心させることが基本です。
あとは、その場の雰囲気や内容で、自分で決められそうだったら決めさせてほめる。
決められそうもない内容だったら一緒に考える。
この「一緒に考える」も大事です。
一緒に考えながら、自分で決められるように誘導してあげる。
そして、決められたらほめる。
これが《基本》→《応用》です。
3.安心を満タンにしてあげる
子どもは安心が満タンになると自立します。
「これしていい?」と確認する行動は自立への助走です。
自分で決めようとしているから確認するのです。
「これしていい?」は、既に半分は自分で決めているわけです。
ですから、「よく聞いたね!」とほめてあげてもいいくらいです。
自立が始まっている証拠だと思ってください。
もうひとつ、「失敗したくない」「間違いたくはない」という気持ちを持っている場合があることを理解することも大切です。
そういうことを心配する性格の子もいます。
親の叱り過ぎではなく、自立の時期や失敗への不安ということがほとんどです。
そして、そのどちらにしても、いつか安心感が満タンになれば、子どもは飛び立ちます。
最後に、安心感を満タンにさせる魔法の言葉を紹介して終わります。
「失敗してもいいんだよ。お父さん、お母さんがついてるから!」
場面に応じて、いろんな言い方がありますが、これが基本型です。
《失敗してもいいんだよ》+《親がついてる》
重要な場面ではこの言葉が基本になります。
児童精神科医の佐々木正美先生は次のような言葉を遺しています。
過保護に育てられて駄目になった子どもを、私は本当に見たことがない。
要注意は過干渉と放任。(『子どもの心はどう育つか』)
愛情いっぱいで幼児らしさを育ててあげてください。