0~1歳半(乳児期) 父親学

講座254 赤ちゃんがやって来た!黄金の三日間②

投稿日:2022年4月8日 更新日:

今日は2日目の記録です。

 目 次
1.愛着形成のゴールデンタイム
2.「授乳」とは何か
3.授乳行為のABC
4.母親の時間

1.愛着形成のゴールデンタイム

赤ちゃんが授乳される時の反応を見てみました。

驚きました!

期待して待つ

生後一週間にして、これができるのです。

お腹がすいた時、ちょっと泣きますよね。

それで、お母さんが抱っこして授乳の準備を始めると、

明らかに表情が「期待!」に変わるのです。

これって、つまり、愛着形成じゃないですか!

生まれたばかりの赤ちゃんって、一日のだいたいを眠っているわけですが、

排便や空腹などの「不快」が生じた時にかまってもらいますよね。

排便の時はあまり期待感はないのですが、

授乳の時は、もろに期待感を表します。

つまり、

この時期は、授乳時こそ愛着形成のゴールデンタイム

と言えそうです。

2.「授乳」とは何か

このことをもう少し深掘りしてみます。

赤ちゃんはお腹がすいた時に泣きます。

我が家では赤ちゃんの泣き方を「レベル1」とか「レベル2」とかって名付けています。

目が覚めて可愛らしく泣くのが「レベル1」。

涙が出るくらい泣くのが「レベル3」。

号泣は「レベル5」です。

お腹がすいてなくのはレベル1~2が多いです。

この信号によって母親は赤ちゃんのそばに行きます。

我が家も声をかけています。

「どしたのかな?」とか

「おなかすいたのかな?」っていう感じです。

今はまだこうした言葉だけで「期待反応」は見せませんが、

多分、いつかは言葉だけで期待するように発達するのではないかと予想します。

で、抱っこして授乳しますよね。

その時、「期待の表情」を見せます。

で、ここが重要なのですが、

この時、母親は「お腹すいてたのぉ」とかって言うんですよ。

もちろん視線は赤ちゃんの顔に向けられています。

この時の母親の感情を想像してみてください。

「イラっとする」とか、「面倒だ」とかじゃないはずです。

赤ちゃんに期待されて、自分の行為でその期待に応えてあげる。

これって「喜び」ですよね。

母親自身の成功体験(自己効力感)

愛着(アタッチメント)という言葉は関係(結びつき)表す心理学用語です。

ですから、赤ちゃん側の気持ちと母親側の気持ちの両方が大事なんです。

【A】赤ちゃんだけが満足すればいいというわけではなく、

【B】お母さん自身の満足感も満たさなければならない。

しかも、ここでいう「満足」という言葉は、

栄養を与えるというだけの意味ではなく、精神的な意味での「満たされ感」も意味します。

【C】お腹も心も満足

これが授乳ですね。

3.授乳行為のABC

授乳とは母親の「成功体験」だと書きました。

成功体験ということは「失敗体験」もあるということです。

実は、少なくない数の母親が「授乳に不安」を持っていることが知られています。

授乳は育児不安の出発点と言ってもいいくらいです。

ですから、ここでの成功は大きな意味を持ちます。

愛着形成が子どもの人生の土台であるということをもっと突き詰めて考えると、

授乳における成功体験がその出発点になるわけです。

そして、ここで立ちはだかって来るのがこの問題です。

母乳」か「ミルク」か

これは、結論を言えばどちらでも大丈夫なのですが、

重要なのは母乳の方が「自己効力感を得やすい」ということです。

お母さん自身が自分の体を使って与えているからです。

でも、誤解しないで下さい。

授乳の成功・不成功は母乳かミルクかではありません。

【A】赤ちゃんの満足

【B】お母さんの満足

【C】満足とは「お腹と心」

このABCがそろえば成功なんです。

赤ちゃんが泣いたら、

「どうしたのかな?」「おなかすいたのかなあ?」などと声をかけ、

赤ちゃんの期待表情を見て、

期待に応えてあげるという行為ができればそれで成功です。

ミルクでもそれは可能です。

成功させるの時のポイントをキーワードで書いておきましょう。

双方向(two-way)

授乳は相互関係(コミュニケーション)ですから、

一方的な行為で終わらせないことが大切です。

それが母としての自己効力感を生み出します。

4.周囲の支援

出産後の6~8週間くらいの期間を「産褥期(さんじょくき)」と呼びます。

産褥期の母体は肉体的にも精神的にも疲れが残っています。

いつもと違うわけです。

この産褥期にポジティブな気持ちで、

「ヤッタゼ!授乳成功したぜ!」みたいに思える人は少ないと思います。

眠たかったり、疲れていたり、ネガティブになっていたり、

そういう状態であることも考慮しなければなりません。

ですから、できることなら支援が必要です。

まわりの大人は次のことを配慮してあげてください。

授乳以外の事をたくさんやってあげて母親の負担を軽くする。

特に母乳の場合は替われませんからね。

逆に、ミルクの場合は母親以外でも成功体験を積み上げることが可能です。

これが周囲の大人がすべき大切なポイントです。

二日目。

まだまだいろんなことがあったのですが、

今回は一番大切な「授乳」についてまとめました。

参考文献:「母乳育児と愛着形成に関連する文献的考察」中尾由紀美・横山美江


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-0~1歳半(乳児期), 父親学

執筆者:


  1. つむちゃんのお母さん より:

    私は授乳するとき、子供の耳の産毛が可愛くて仕方なくて、なでなでしています(*^^*)癒しの時間ですね!

  2. みほ より:

    うちは、朝起きたら、顔を洗って服を着替えて、授乳の流れが多いので、その途中から期待の表情になっています。
    甘えた声で急かされることもあります。

    毎日の流れが分かって、先を期待できるってすごいことだなぁと思います。

  3. さつきママ より:

    期待している表情、という見る視点がありませんでした!ありがとうございます!

    リアルタイムの赤ちゃん子育てレポート、今後も楽しみにしています!

  4. タミー より:

    授乳中はちゃんと娘が飲みやすくくわえているかを気にしたり、エネルギーが吸い取られ眠くなったり。
    授乳って座っているだけのように見えますが、エネルギーを使った思い出があります。
    真剣なまなざしで飲んでくれた娘の顔が印象的でした。

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