講座205 子育てには「正解」がある!
育児アドバイザーの方々は「子育てに正解はない」ってよく言われます。
子どもはみんな違うんだから「これが正解」という育て方はないという考えです。
私も昔は「そうだよな」と思っていました。
でも、最近は疑問に思っています。
子育てのことを勉強すれば勉強するほど、
子育てには「正解」がある!
と思うようになってきたのです。
今回はそのことについて解説します。
2.子育ての理想主義化
3.私のブログの編集方針
1.みんなちがってみんないいのか?
たとえばですね。
幼児期の読み聞かせはやった方がいいですよね。
スキンシップって大切ですよね。
絶対音感を身につけるなら5歳までにはレッスンを受けておくべきです。
英語の発音を身につけるなら幼児期の方が正しく簡単に覚えられます。
私たちは小さい時から「ディ」という発音が生活の中にあったので、「ディズニーランド」と言えますが、お年寄りの中には「デズニーランド」と言ってしまう方もいらっしゃいます。
何度言っても「デズニ―」と発音してしまうのです。
これは幼少期の生活の中に「ディ」という音を聴いて育っていなかったためだと言われています。
話がそれましたが、子育てには、
「やった方がいいこと」
「大切なこと」
「その時に使わなければ身につかないこと(臨界期)」
などがあります。
また、これとは逆に、
「やらない方がいいこと」
「やってはいけないこと」
「やっても苦労すること」
などがあります。
そう考えると「正解/不正解」ってあるように思いませんか?
発達障害に関しても、「理解の仕方」がありますし、「やってはいけない対応」などもあります。
正しい子育ての方法というものが無ければ、初めて子育てをする人は路頭に迷ってしまうでしょう。
明治の初期までは「日本の子どもたちは世界一幸せな子どもたちだ」と称賛されていたのに、今では日本の子どもたちの自己肯定感は世界の底辺です。
これは子育ての方法が「正解」から遠ざかってしまった結果なのではないでしょうか。
「正解はない」と言っている人たちは、「みんなちがってみんないい」という良さそうな言葉で満足してしまうのかも知れません。
みんな違うのはわかりますが、「みんないい」の「いい」とは何でしょう?
「そのままでいい」ということでしょうか?
「そのまま」だったら子どもを育てることにはなりませんよね。放置です。
「みんないい」の「いい」は「幸せ」でなければいけません。
「みんなちがってみんな幸せ」なら分かります。
みんながそれぞれに幸せになる子育ての仕方を追究するべきです。
幸せになるための共通した育て方を求めて実践すべきなんです。
2.子育ての理想主義化
オハイオ州立大学心理学部のサリバン教授は言います。
フェイスブックを頻繁に利用するほど育児ストレスは大きくなる
Facebookじゃなくてもいいのです。
LINEでのインスタでもネットニュースでもいいでしょう。
要するに、ソーシャルメディアの普及が育児ストレスを大きくさせているという主張です。
サリバン教授は次のように書いています。
「自分の子育てを他人がどう思うだろうかと心配するうちに、母親は自信を失い、子育てが楽しくなくなって、よりストレスを感じるのだ。」(『Newsweek for wonman』日本語版 2022年01月06日)
サリバン教授はこのような保護者たちを「ニューペアレンツ」と呼んでいます。
ニューペアレンツの特徴は大きく2つです。
(1)自分の子育てに対して、あり得ないほどに高い理想を求めること
(2)他人も自分に対して、あり得ないほどの高い理想を求めていると思い込むこと
つまり、SNSなどで交流するほど、
①自分の理想が高くなってしまう
②まわりもみんなそうだと思ってしまう
という現象に陥るという指摘です。
子育ての理想主義化現象と言ってもいいでしょう。
この現象が起きる背景には「情報過多」があります。
すぐに情報が手に入ってしまう。
⇒ 「あれもやらなきゃ!」「これもやらなきゃ!」と思ってしまう。
⇒ 「みんなやってる!」と思ってしまう。「それが正しい!」と思ってしまう。
でも、ちょっと待ってください。
ネット上の情報はそんなに正しいのでしょうか?
知ってる人の口コミってそんなに正しいのでしょうか?
その情報を信じて、自分でやったらうまくできなかった…。
そうやって落ち込む必要はあるのでしょうか?
子育てに正解はない。
そう言いたくなりますよね。
みんなちがってみんないいんだ。
そう言いたくなりますよね。
この理想主義化現象や情報過多の現代社会だからこそ、
母親たちのストレスを軽減させるために、そう言いたくなるわけです。
3.私のブログの編集方針
さあ、整理しましょう。
「子育てに正解はない」という言い方は、子育て世代の親たちのストレスを減らすためにあるのです。
私はそう思っています。
そして、
「子育てには正解がある」と思っています。
ここでいう正解とは、子どもが幸せになる育て方があるという意味です。
サリバン教授は次のようにまとめています。
小さなことにこだわる必要はない。大切なのは全体像だ。
正解という言葉を「全体像」と読み替えてもいいでしょう。
「正しい方向」と読んでもいいでしょう。
幸せのゴールを富士山の山頂だとするなら、登り方や登るルートは様々です。
でも、方向は山頂でなければなりません。
逆方向に離れて行くのは間違った歩き方です。
私は正しい子育てを「幸せの子育て」と呼んで編集してきました。
ここで、編集方針を明記しておきます。
1.win3になるか
子どもはもちろん、親にとっても、世の中にとっても幸せになる方法かどうか。
2.全体像に位置付ける
条件1をクリアしたならば、それを全体像に位置付ける。
3.全体像は条件1の発見とともに、常に修正される。
このブログサイトにある「幸せの子育てマップ」がそうです。
子育て写真集にある「子どもの事実」に基づいたキーワードがそうです。
私はこれからも「win3」になる子育ての方法を集め、その全体像の完成をめざしていきたいと思っています。