講座244 あなたは優しい親ですか?

 目 次
1.子どもに無関心
2.医師や看護師の仕事
3.教師の仕事
4.逆でもいい
5.子育てスキルのシェアリング

1.子どもに無関心

私は優しくない親でした。

自分の子であれ、他人の子であれ、子どもに接すること自体が苦手でした。

長女が生まれた時、単身生活をしていました。

初めて我が子を抱いたのは生後2カ月の時でした。

「これが自分の子?」

全然実感がありませんでした。

赤ちゃんを抱っこしたのもこの時が初めてでした。

そんな私が、今や「子育ての本」を書いたり、「子育て講座」をしたりしています。

どうしてこうなったのか?

きっかけがあります。

技術はシェアできる

このことを知ったからです。

2.医師や看護師の仕事

お医者さんの世界の話です。

お医者さんは、回診する時に、

患者さんのベッドの枕元に小さくしゃがみ込んで、

横になっている患者さんの顔よりも自分の顔を下げて、

話を聞くといいます。

患者さんに楽な姿勢でいてもらうためです。

夜、看護師さんが病院の中を見回る時には、

懐中電灯を下向きにして、病室内を歩くのだそうです。

眠っている患者さんに光が当たらないようにするための配慮です。

どちらの例も、患者さんのことを第一に考える「思いやり」ある行為です。

いい話だなと思いますよね。

普通はそう思いますよね。

でも、

病院の世界ではこれを「思いやり」とは言いません。「技術」と言います。

回診のための技術、巡回のための技術なんです。

技術は、再生可能、伝達可能、蓄積可能です。

病院の中ではこのような技術が研修によって、先輩から後輩へと受け継がれていくのです。

3.教師の仕事

世間の人が「思いやり」だと思っていた行為が、

プロの世界では「技術」としてシステム化されていることを知りました。

私は子どもが好きで教師になったわけではありません。

授業のやり方も知りませんでしたし、子どもに接するのも苦手でした。

でも、教師の世界に「教育技術」というものがあって、

その技術は誰でも手に入れることができることを知りました。

教師一年目の冬のことです。

たとえば、

一年生の話を聞く時はこちらからしゃがみ込んで子どもの目の高さで聴く

これも技術です。

知っていれば、真似することができます。

「そんなの当たり前でしょ!」という先生は優秀な先生です。

人格的に優しいのでしょう。

そういう人は苦労せずに対応できるはずです。

でも、出来ない教師だっているんです。

教わったことがありませんから、教えられるまで気づかないのです。

そして、気づかないだけなのに「冷たい」「力がない」などと思われ、

教師としての自信を失っていきます。

一年生を担任したら朝は一番に来て教室で待っていてあげる

これも技術です。

朝、早く来た子がポツンと一人にならないようにするための配慮です。

でも、これを「配慮」という言葉で片付けてはいけません。

配慮という言葉で片付けられてしまうと「優しくない私」には壁が出来ます。

でも、これを技術として前もって知っていれば、

「優しくない私」でも実行できます。

また、私から別な先生に、「こうすればいいんだよ」と伝えることもできます。

それが技術です。

4.逆でもいい

教員時代に、こうやって行動しているうちに、私は変わりました。

「優しくない私」でも、「優しい行動」がとれるようになったのです。

順序は逆でもいい

「優しい先生」であろうと、「優しくない先生」であろうと、

結果として、子どもに優しい行動が取れればいいのです。

そして、変化はもうひとつ。

優しい行動を実行できるようになって、自分が少し優しくなったような気がしました。

変化はまだあります。

優しい行動を実行すると、子どもたちのいい面がたくさん見られるようになったのです。

子どもたちの素晴らしさを実感できるようになったわけです。

ですから私は、たくさん、たくさん、教育技術というものを学びました。

そのうちに仕事が楽しくなり、子どもが好きになりました。

そういう教員生活でした。

5.子育てスキルのシェアリング

ですからその経験を活かして、子育てスキルのシェアリング講座を実施しています。

このブログに書き出していることはすべて技術です。

・再生可能(真似することができます)

・伝達可能(人に伝えることができます)

・蓄積可能(ためることができます)

1歳前後に「だいじ、だいじ」を教えよう!

これだって「子育て技術」じゃないですか。

思春期には「心の港」を用意しよう!

これだって「子育て技術」じゃないですか。

なんにも勉強しなくても対応できる親もいるでしょうけど、

困っている親だっていて当然です。

困ったり、悩んだり、不安に思ったりするのが普通です。

そうした方々のお役に立てられるように発信を続けていきます。

この記事に投げ銭!

水野 正司

子育て応援クリエイター:「人によし!」「自分によし!」「世の中によし!」の【win-win-win】になる活動を創造しています。

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4件のフィードバック

  1. つむちゃんのお母さん より:

    技術と考えると、学ぶことで仕事も子育ても楽になると言えますね。

    技術、素晴らしい考え方だと思います。

  2. まき より:

    技術は優しさになるのですね。
    技術のある教師、母でありたいです。
    学び続けます。

  3. みやまゆ より:

    優しさと言われると曖昧なところが多く、優しいのか?と考えると不安になりますが、技術として知ると安心できますね

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