『中川志郎の子育て論』

副題:動物にみる子育てのヒント

今回ご紹介するのは、上野動物園の園長をされていた中川志郎さんの『中川志郎の子育て論』(エイデル研究所)です。折り目4つ。

一つ目。ネコ科の動物は「生咬み」というスキルを持っているという話です。生咬みとは、本気で咬まないで軽く咬む行動です。このスキルを身につける最初の練習が母親からおっぱいをもらう時だそうです。おっぱいを咬んだり、おっぱいに爪を立てたり、そういうやり過ぎた行動に対し母親は子どもの首筋を咬んで、「それはダメ」と教えるそうです。練習段階の二番目が子ども同士のじゃれ遊びです。遊びの中の取っ組み合いで、本気の喧嘩にならない程度の「力の加減」を学習します。つまり、本気のケンカも経験しているということでしょう。そういう失敗を経験しながら「生咬み」というスキルを身につけていくわけです。そしてこのスキルは自分たちが親になった時に、赤ちゃんを移動させる時のスキルとして役立つというわけです。

二つ目は、母親パンダは子パンダを1000回、2000回、時には3000回も、続けて、なめるという話。意味は二つ。子パンダの新陳代謝をよくするため(排泄がうながされる)という理由が一つ。もう一つは信頼関係(愛着形成)を強くするため。中川さんによれば、この愛着関係が強ければ強いほど、つまり、たくさnなめられればなめられるほど、親子の分離(自立)がうまくいくそうです。中川さんの言葉です。

幼時に母性愛に満腹したものだけが、独立という新しい世界に自信を持って旅立っていけるのだろうと思います。(92ページ)

三つ目、四つ目はチンパンジーのお話。キーワードは「密着」と「ヒコーキ」。これは読んでのお楽しみにします。

中川志郎の子育て論

水野 正司

子育て応援クリエイター:「人によし!」「自分によし!」「世の中によし!」の【win-win-win】になる活動を創造しています。

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2件のフィードバック

  1. より:

    子どもが赤ちゃんの頃、猿の子育てを思い浮かべながら子育てしていました(^^)

    哺乳動物の中には1日に何度も授乳するものもいれば、数回しか授乳しないものがいます。母乳の濃度が違うようです。ヒトの母乳は薄く、頻回授乳向きとのこと、、、そんなことを思い出しました。

    ヒトも動物。虐待のニュースを目にする度、動物もストレスが加わると子殺しや育児放棄を行うことを思います。ヒトも動物という視点、大事だと思っています。

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