講座356 詩「日常の中に」
あなたが産まれたばかりの時
お母さんは高熱を出してしまった
お父さんは
「ごめん、今日は休めない」と
何度も謝りながら家を出ていった
でもすぐに
駅から引き返してきて
授乳しながら
うつらうつらしていた私の腕から
あなたを抱き上げて
「心配だからやっぱり家にいる」と笑った
お父さんとの一番大切な思い出は
プロポーズの言葉でも
初デートでもない
電話で誰かに一生懸命謝りながら
スーツ姿のまま
大切そうにあなたを抱いていた
あの日
引き返してきてくれたお父さん
詩「日常の中に」(作・小野省子)
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このお母さんの気持ちが痛いほど分かります。
そうなんです。
母は孤独が1番辛いです。
小野さんの詩はすごいですよね。
埼玉県の方です。