講座332 1ヵ月児・お外デビュー

赤ちゃんの「お外デビュー」は生後1ヵ月からと言われています。

1ヵ月健診が終わったら、と考えている人も多いようです。

今回は私の孫の「お外デビュー」を動画で解説します。

正真正銘、生まれて初めて「外」に出た瞬間の映像です。

 目 次
1.五感を刺激する
2.畳語
3.実況中継

1.五感を刺激する

春先なのでタオルを二重に巻いて外に出ました。

おっぱいを吐き戻すかも知れないのでガーゼも付けています。

視線が遠くを見ていますよね。

周囲がボンヤリとしか見えていないからでしょう。

1ヵ月なので視力は20~30㎝だと思われます。

つまり、外出と言っても外の景色を見るというより、

風を感じたり、

光を感じたり、

寒さを感じたり、

そんな感じなんだと思います。

「チューリップだよ」と言ってもチューリップは見えてないでしょうね。

でも、とにかく新しい体験ですよね。

部屋の中とは違う刺激があるはずです。

2.畳語

何度も「まぶしまぶし」と言ってましたよね。

これが「畳語(じょうご)」です。

江戸時代からある「子育て言葉」です。

「ぶーぶー」とか、「バイバイ」とか、「なでなで」とか、

「おめめ」も畳語に含まれるそうです。

最近の研究では「畳語を使った方が赤ちゃんの脳は活性する」ことがわかっています。

「幼​​児語」が赤ちゃんに良い理由(Catherine E. Laing – The Conversation)

3.実況中継

「お花が咲いています」などと状況を説明してあげる「言葉かけ」です。

アナウンサーのように解説・中継してあげるので「実況中継」と言います。

これはアメリカの行われた「ペリー就学前プロジェクト」に参加した幼稚園・HighScope(ハイスコープ)教育財団の先生も使っている保育技術です。

視力は弱くても音は聞こえています。

言葉かけは有意です。

「お花が咲いています」と言ってあげるのと、

無言でいるのとでは、

明らかに刺激が違います。

「お花が咲いています」の意味はわからなくても、音の刺激、声の刺激は伝わります。

しかも、日本語という言語の刺激です。

「咲いています」だと丁寧な言い方という刺激。

「咲いてるねえ」だと優しい言い方の刺激。

無言とは全然違って来ます。

講座331「里帰り出産」について、「さつきママ」からこんなコメントをいただきました。

第一子の里帰りのメリットに、家事や育児を助けてもらえる他にも、
あることに気づいたのが心に残っています。
赤ちゃんへの声の掛け方です。

「雨が降ってるね」
「カエルさんが泣いてるね」
「お外見てみようか」

会話にならない赤ちゃんへの語りかけは初めてでイメージが持てませんでしたが、
母がやっているのをみて、ああやって声をかければいいのかと、とても参考になったのを覚えています。
(さつきママ)★5

まさに「実況中継」ですね。

ここで重要なのは「さつきママ」のこの言葉です。

会話にならない赤ちゃんへの語りかけは初めてでイメージが持てませんでした

私たちの周りには赤ちゃんが少なくなりました。

子育てのシーンを見かける機会が断然減っているのです。

「会話にならない赤ちゃんへの語りかけ」は実際に見ればわかるでしょう。

でも、口で説明されたらなんとなくしかわかりません。

百聞は一見に如かずです。

だから私は次のように返信しました。

とても大切なことを学ばれましたね。
里帰りのメリットですね。
それが出来ない方へどんな風に伝えたらいいかをいつも考えています。

里帰りができず、一人で、初めての育児を始めた方へ、「実況中継」のような技術をどうやって伝えるか。

私はいつもそれを考えています。

少なくとも17%くらいの母親が里帰りもせず、手伝いにも来てもらわずに子育てをしています。

技術を伝承する機会も断然減っています。

そうなると、誰かが何かしらの仕組みを作らねばなりません。

そのために私はこの活動(子育てwin3計画)を始めました。

さつきママさん、大事な感想をありがとうございます。

この記事に投げ銭!

水野 正司

子育て応援クリエイター:「人によし!」「自分によし!」「世の中によし!」の【win-win-win】になる活動を創造しています。

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2件のフィードバック

  1. タミー より:

    お外デビューのドキドキワクワクがお孫さんの表情から伝わってきました。
    赤ちゃんって言葉にしないけど、表情から気持ちが伝わってきますね。
    水野先生が言葉にしてくれたり、お話ししてくれたり嬉しかったことと思います。

    • 水野 正司 より:

      タミーさんは気持ちを大切にされる方だと思います。
      当たってませんか?
      この時のこの子の顔はただぼんやりしていたのだと思います。
      「うれしい」という感情もまだありません。
      1ヵ月児だと「興奮」「快」「不快」の3つの感情しか持たない時期です。
      「うれしい」はまだだいぶ先の感情です。
      そんなこと言ってもうれしがっているように見えます!
      という時は、「うれしい」ではなく「興奮している」だと思います。
      大人はそれを「うれしがっている!」と解釈します。
      でも大抵は「興奮」です。
      その「興奮」が将来の「うれしい」に変わります。
      ですから「あら、うれしいの?」などと声をかけてあげることはいいことです。
      でも「興奮」を大事にする子育ても大切な視点です。
      https://www.kotanin0.work/entry/2019/08/20/220000
      (情緒の分化と取捨選択)

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