講座133 叱り方、それダメ!6位~4位
「ダメな叱り方」ランキング、6位~4位の発表です!
第6位 叱れない
子どもって、「叱って欲しい」と思う時があるんです。
小さい時ではないですよ!
小さい子が自分を叱って欲しいと思ったら、それはヤバイ状態です。
そうではなく、中学生、高校生。
女の子だったら小学校高学年からあるかも知れません。
思春期ですね。
誰でも「叱って欲しい」と思うわけではありません。
特別な背景がある場合です。
それは少年院に入っている子どもたちの証言からわかります。
あの時、叱って欲しかった。
父親が欲しかった。
叱ってでもいいから愛情が欲しかった。
そういう背景です。
そして、こうした子どもたちに共通しているのが次のことです。
親にほめられたことは一度もない。
・自殺しようとした時
・目の前でタバコを吸った時
・弱い者いじめをした時
・SNSでの誹謗中傷がバレた時
・どうせ僕はバカだからと言った時
普通の親なら叱る場面で叱られなかった時
つまり、
他人を傷つけた時
自分を傷つけた時
に、
「愛情の確認」をする子がいる
ということです。
世の中には、そういう子もいるということを知っておいて欲しかったので、
特別にランキングに入れました。
第5位 責める
お母さん知らないからね!自分のせいでしょ!
こんな感じで子どもに責任を感じさせるパターンですね。
これは多分、わざとそう言ってるんでしょうね。
反省させるためだと思うんです。
しかし、このパターンでは反省できません。
人間脳と動物脳
どっちの脳が刺激を受けるかわかりますか?
本能(動物脳)の方が刺激を受けます。
人間も動物です。
動物の子どもは、
「生きる」ということが一番の目的なんです。
そして、子どもの間、特に哺乳類の子どもというのは、
いかにして親に愛されるか
ということが生きるために直結するのです。
親から愛されることは死活問題なんです。
これはどんな子でも同じです。
それがたまたま、「アンタの責任だからね!」と突き放されたら、
生きる上でのピンチですから本能が刺激されます。
子どもによっては絶望感に襲われます。
反省どころじゃないわけですね。
ちなみに教育基本法第十条には次のように書かれています。
父母その他の保護者は、子の教育について第一義的責任を有する
「もう一回やってごらん!」
「失敗したっていいから!」
そう言って励ます。
「責任」というのは、そういう大きさのことをいいます。
第4位 怒鳴る
ザけんな、コラッー!
みたいな感じで怒る言い方ですね。
怒鳴るというのは「すごむ」ということです。
「すごむ」というのは、スゴクないのにスゴイふりをするということです。
弱い犬が吠えるのと同じです。
これがどうしてダメなのかはもう明らかですよね。
動物脳(感情脳)を刺激するからです。
子どもは「3F」と言われる防衛反応を示します。
Fight(闘う)
Flight(逃げる)
Freeze(固まる)
です。
いくら怒鳴っても効果はありません。
逆にこうなります。
反省できない
またくり返す
ウソをつく
怒られたことを人間脳で冷静に考える機会がないので反省できません。
状況をうまく把握できないのでまたくり返します。
最後には自分を守るために嘘をつくようになります。
かなりコスパの悪い叱り方ですので第4位に入れました。
※この講座では次の著書を参考にしました。
寮 美千子『あふれでたのはやさしさだった 奈良少年刑務所 絵本と詩の教室』