講座255 赤ちゃんがやって来た!黄金の三日間③

「赤ちゃんがやって来た!黄金の三日間」と題して3回シリーズで書いています。

「黄金」というのは「貴重な」という意味です。

この時期にやっておくことで、

(1)赤ちゃんにとっての一生の財産

(2)お母さんにとって負担の少ない幸せな子育て

この二つを実現できる貴重なチャンスなのです。

今回は最後なので、そのことも加えて最後にまとめます。

 目 次
1.かまう
2.刺激
3.揺り
4.リズム
5.うた
6.絵本
7.話しかける
8.まとめ

1.かまう

一日目は「育児環境」について書きました。

二日目は「授乳」について書きました。

あと一つ大切なことをあげるとすれば、それは「かまう」です。

「かまってあげる」の「かまう(構う)」です。

今日はこのことについて解説します。

1か月目の赤ちゃんは眠っていることが多いです。

つまり、「起きている時は貴重な時間」ということです。

授乳以外で起きている時に何をするか?

それが「かまう(かまってあげる)」です。

どんな風にかまってあげるかを解説します。

2.刺激

男の人に「赤ちゃんをかまってあげて!」と言うと、

「どうやってかまうか分からない!」と困ってしまう場合があります。

そんなの実は簡単です。

「かまう」というのは「刺激を与える」ということです。

赤ちゃんの脳の神経細胞(ニューロン)は誕生から数か月間で激減します。

1歳になるまでに9割無くなる、といった感じです(上のグラフ)。

これは「生きるために必要のない細胞は消失させる」という行為です。

これと反対に、生き残った神経細胞同士のつながり(ネットワーク)は増加します。

そのピークは1歳~8歳です(下のグラフ)。

これは「使われる細胞のネットワークは濃密にする」という行為です。

赤ちゃんの脳の仕組みはこの二つ分かればだいたいOKです。

で、

「生き残る細胞」というのは何らかの刺激を受けている細胞と考えてよいでしょう。

「見る」とか「聞く」も刺激ですし、

「気持ちいい」とか「心地いい」というのも刺激です。

脳に関する理解はこの程度で十分です。

ここからは具体的な「かまい方」について紹介します。

3.揺り

赤ちゃんを抱っこした大人が自然にやってしまう行為が「揺り(ゆり)」です。

立って赤ちゃんを抱っこしているときになんとなく体を揺らしませんか?

右足に体重をかけ、左足に体重をかけ、自分の体を左右にユラユラさせます。

あるいは、赤ちゃんを抱えている腕を左右に揺らしたりしませんか?

要するに「ゆりかご」や「ロッキングチェアー」の動きですね。

①心地よい揺り

「揺り」と「揺さぶり」は異なります。

「揺さぶり」というのは、左右に動かす時にストップをともないます。

ガクンと衝撃が生まれます。

赤ちゃんの脳は水の中にフワフワ浮かんだ状態ですので、

「揺さぶり」をかけると衝撃で血管や神経が引きちぎられます。

これが「乳幼児揺さぶられ症候群」です。

特に危険なのは「前後の揺さぶり」です。

動画で確認してください。

厚生労働省HP

男の人が赤ちゃんを扱うのが苦手な理由は次の二つだと思います。

①首がすわっていないことへの恐れ

②「揺り」と「揺さぶり」の違いを知らないことからくる恐れ

ま、この二つをクリアしていればほぼ大丈夫だと思いますよ!

4.リズム

「揺り」と同じくらい重要な技はこれです。

②リズム

「揺り」もリズムの一種です。

一定のリズムでユラユラさせますよね。

それがリズムです。

このほかにも、背中をトントントンと軽くタップしてあげるのもリズムによる刺激です。

私は抱っこしているときに目を合わせて名前を呼んであげます。

「わかちゃん、わかちゃん、わかちゃん、わかちゃん…」といった感じです。

くり返すことでリズムは生まれます。

意味のない言葉でやるときもあります。

「タンタン、タンタン、タンタン、タンタン…」と口ずさみます。

言葉ではなくて音の場合もあります。

唇で「パッ、パッ、パッ、パッ…」と音を出してあげるのもリズム刺激です。

リズムは音だけではありません。

手や指を使うときもあります。

ほっぺを指でトントントンとしてあげたり、

ほっぺにチューしてあげるのもチュッチュッチュッとくり返してあげるとリズムです。

くり返し

くりかえしって赤ちゃんには心地いいんです。

5.うた

我が家の娘たちは0歳中盤から「うた」を聴いて育ちました。

母親が歌ってあげていたんです。

歌ってあげる方法は二つあります。

(1)覚えている歌を口ずさんであげる

(2)歌をモノ化する

⑴はいつでもどこでも出来るので便利です。

一般的には童謡や子守唄ですが、

ジャンルはこだわらなくてもよいと思います。

知ってる歌を口ずさんであげてるだけで「かまう」になります。

サビの部分だけをくり返すのもいいですね。

私はさっきまで「悪魔の子」のサビをくり返し歌って揺すってあげていました。(^^)/

⑵について解説します。

歌は物体ではないので、それを「モノ」にするという意味です。

たとえば「うたカード」という教材です。

教材があると、歌うキッカケになります。

曲数が数えられるので歌ってあげる時の目標が出来ます。

私が使っていたのはくもんの「うたカード」です。

母親が赤ちゃんにカードを見せながら歌っていました。

カードはお母さんに歌詞が見えるので便利です。

赤ちゃんは絵を見ます。視覚への刺激ですね。

数枚ずつに絞ってくり返し使います。

次はまた新しい数枚が登場という感じです。

こうすると曲数がわかります。

我が家の三女は2歳の時点で自分で100曲歌えるようになっていました。

6.絵本

これは退院してすぐの話ではありませんか、

忘れないうちに書いておきます。

0歳児にも「読み聞かせ」は有効です。

有効な理由①:刺激

幼児への「読み聞かせ」とは少し違うので解説します。

まず、選ぶ絵本の種類が違います。

ポイントは五つあります。

(1)ハッキリした絵

(2)話が短い

(3)一文が短い

(4)くり返しがある

(5)サイズが小さい

有効な理由②:言葉やストーリーを理解できる

赤ちゃんが言葉を話すのは1歳以降です。

でも、言葉を理解するのはもっと前です。

0歳児でも理解できると思った方がいいです。

話せないだけで、わかっている。

これが正しい理解です。

ですから、赤ちゃんに読み聞かせをする時には、「わかっている」と思って読むのが基本です。

大人がこのことを理解するのは難しいですよね。

何しろ赤ちゃんは言葉を話しませんから。

「ホントにわかってるの?」と思うでしょうけど、「わかっている」と思って接するのが正解です。

有効な理由③:スキンシップができる

赤ちゃんに読み聞かせをすると自然とくっつきますよね。

お母さんがそばにいて「かまってくれる」という状況が生まれます。

大好きなお母さんがそばに来てかまってくれるわけですから、

愛着形成の大きな武器になります。

7.話しかける

最後にこれです。

「話しかける」

会話ですね。

コミュニケーションです。

最大最強の刺激と言っていいかも知れません。

「絵本」のところでも解説したので、もうわかりますよね。

赤ちゃんは、

話せないだけで、わかっている。

このことを理解していれば、会話も充実します。(^^)/

8.まとめ

赤ちゃんをかまってあげる方法について書きました。

①刺激
②揺り
③リズム
④うた
⑤絵本

⑥話しかける

これが「かまう」の具体です。

以上で「赤ちゃんがやって来た!黄金の三日間」は終了です。

最後にこの3回をまとめます。

【1】環境づくり
1.照明
2.テレビ
3.布団
4.母親の時間
5.音
6.寝る場所
7.カーテン

【2】授乳
1.愛着形成のゴールデンタイム
2.「授乳」とは何か
3.授乳行為のABC
4.母親の時間

【3】かまう
①刺激
②揺り
③リズム
④うた
⑤絵本
⑥話しかける

どうしてこの三つを「黄金(貴重)」だと名付けたのかと言いますと、

この三つは、毎日くり返されるからです。

毎日くり返されることは早めに実行しておけば、その後が楽です。

赤ちゃんにとっても「いいこと」ですし、

親にとっても「いいこと」なんです。

「いいこと」をシステム化する

それが楽になる方法です。

そして、この「黄金の三日間」はいつでもスタートできます。

別に、本当の最初の三日間じゃなくてもいいのです。

子育ての仕方はいつでもリセットできます。

思った時がちょうどいい時。

参考になる部分があれば幸いです。

この記事に投げ銭!

水野 正司

子育て応援クリエイター:「人によし!」「自分によし!」「世の中によし!」の【win-win-win】になる活動を創造しています。

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2件のフィードバック

  1. タミー より:

    童謡カードを購入しました。歌ったことのない歌、好きな歌、色々載っていて良かったです。
    歌は手軽で良いですね。

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