講座5 愛は「の」の字で受けとめる
今回は「愛のスキル」の二つ目と三つ目です。
「愛は受けとめてあげる」
「愛は驚いてあげる」
2.大人も同じ!
3.応用編
4.多くの人は「先に聞いちゃう」
1.いつもの問題!
まずは「受けとめ」ですね。
私がよく紹介させていただく問題があります。
子どもが「今日ボク、先生にほめられたんだよ!」
と言って来た時に、どう反応するかという問題です。
この問題をとっさに出されて、
0.1秒くらいで答えを出せる人は合格です!
もう知識があるということです。
逆に1秒以上かかってしまう人はアウトです。
だって、この講座のタイトルにもう答えが出ていますから!
そうです。
「の」を付けて、そのまま返せばいいんですね。
「の」の字を付けて、そのまま返す。
「今日ボク、先生にほめられたんだよ!」と言って来たら、
「そう!先生にほめられたの!」と「の」を付けてくり返す。
これが「受けとめる」です。
悪い例が次です。
「何をほめられたの?」と先に聞いちゃう。
先に聞いちゃうのがダメなんです。
「へえ~!先生にほめられたのぉ~。すごいねぇ~」
とかって受けとめてから聞くのはいいんですよ。
先に受けとめてますから。
そうじゃなくて、先に聞くのがダメなんです。
だって、わざわざ伝えて来たということは、
気持ちを受けとめて欲しくて報告して来たということですから。
2.大人も同じ!
これ、大人でも同じです。
ご主人が、
「なんか体調悪いから会社休もうかな~」と言った時なんかは、
「どこ痛いの?」って聞くよりも、
「あら、体調悪いの?」ってくり返してあげた方が効果的です。
それだけで気持ちを受けとめる効果があるので、
「いや。大丈夫!やっぱ行って来るわ!」なんて自分の中で整理できたりしちゃうものです。
とりあえず受けとめる。
これが大切なんです。
聞くのは後から。
そういうことです。
3.応用編
この原理が理解できたら、応用はいくらでもできます。
受けとめる言葉は「の」以外でもたくさんあります。
「今日ボク、先生にほめられたんだよ!」
母A:「へえー!ほめられたんだ!よかったねえ!」
母B:「ほめられタア!すごいね!」
母C:「いいじゃん!やったじゃん!」
母D:「え~!すごい!お母さんうれしい!」
聞くのはあとです。
よくよく聞いたら大したことではなかったりしますが、
コミュニケーションは気持ちのやり取り!
やり取り自体が「嬉しい!」「楽しい!」ですから、あとからガッカリするのも「また楽し」です。
そして、もうお気づきかもしれませんが、
これはスキルの三つ目「驚いてあげる」とセットで使うと効果倍増です。
「受けとめてあげる」+「驚いてあげる」
これ、最強です。
「受けとめてあげる」=「驚いてあげる」
そういう等式も成り立ちます(似たようなもんです)。
そして、実は、
「受けとめてあげる」≦「驚いてあげる」
なのです。
受けとめてあげるのが面倒な時は、
とりあえず「驚いてあげる」を使えばだいたいOK!
なのです。
母の日に我が子からカーネーションを渡されたらうれしいですよね。
そういう時って、わざと驚いたりしませんか?
「まあ!ウレシイ!」みたな。
これがまさに、
「受けとめてあげる」であり、
「驚いてあげる」という愛のカタチです。
4.多くの人は「先に聞いちゃう」
学校の先生の仕事のほとんどは、この「驚いてあげる」である。
と、玉川大学の谷和樹教授も主張されています。
家庭の中でも同じだと思います。
ああ、それなのに。
ある調査によると、
96%の親が「先に聞いちゃう」をやってしまうそうです。
みなさんはどうですか?
とりあえず驚く!
これ、クセにしちゃうといいんです!
それが愛のカタチです。
参考図書
「の」の字を付けてそのまま返す
聞くのは後から
驚いてあげる
なるほど。
セットにして「愛のスキル」を使いこなせるようになれば最強ですね。
学級の子どもたちに,職場でも,家庭でも,「愛のスキル」を意識して
いこうと思います。
今回の講座も神回です。
ありがとうございます。
追伸:「愛のスキル」をもって職場に向かったのですが、昼休みに・・・・。
わがクラスのやんちゃくんが教室の水道の蛇口を指でふさいで水浸しに。
そのまま逃げていこうとしたのです。
そこで、一喝!
「こらぁ! 何やってるんですか!!!!!
濡らした教室の床,雑巾で拭いてから行きなさい!!!!」
やんちゃくん、逃げられずゴシゴシ雑巾で拭いてくれました。
「拭いてくれてありがとう。」
一喝しましたが、「ありがとう」を言えたので、私もやんちゃくんもすっきりです。
私もありました。ほぼ毎日教室内床はびしょびしょでした。雑巾で雑巾を何枚も使って水を吸い取りバケツに絞る作業いやー大変でしたねぇ。でもその場で子供を叱った事はなかったように思います。どうしてかと言うと、その子の家庭のことが思い浮かぶからです。きっと小さい時にみず遊びを思いっきりさせてもらえなかったんだろうなぁとか、家に帰ってもこういう遊びはできないだろうしなぁ仕方ないか。そんなふうにその子のことを理解していたので私が雑巾を絞っていました。結果、私が担任している時はそんな毎日でしたが、学年が上がってすっかりお兄さんになっている今です。どうしてその子が落ち着いたのかは分かりません。
水野先生の教室でもそんなことがあったのですね。
これまでに何度も水をいたずらしています。
「そんなにやりたいなら、お家でやりなさい。」
と、言ったところ、
「お家でできないもん。」
と、返答がありました。
学級の畑に水かけに行っても水遊びが始まります。
お水に興味がある子なのです。
家では試せないことをやってみているのですね。
そう理解して接していきます。
「いろんな事情」があって家庭ではやれない子が増えています。
でも、発達を考えると必要なんですよね。通過させる必要があるという感じです。
で、特別支援ってオーダーメイドができるじゃないですか。
通常学級では基本サービスしかできないけど、特別支援なら可能。
個別最適化できる。
そのために個別の計画も立てている(保護者に認めてもらっている)。
子どもの理解ももちろん大切ですが、
システムの理解も大切。
私はそのように特別支援教育を理解しています。
水野先生、返信ありがとうございます。
発達を考えると必要、通過させる必要があるという感じ。
なるほど。
特別支援はオーダーメイドできる。
なるほど。
子ども理解とシステムの理解。
なるほど。
ヒントをいただきました。
ありがとうございました。