講座132 叱り方、それダメ!9位~7位
「叱り方、それダメ!」9位~7位の発表です!
第9位 過去を持ち出す
この前も言ったじゃない!
言ったばっかりでしょ!
またか。
どっちの脳を刺激するか?
もう明らかですよね。
こうした言葉は「感情脳(動物脳)」を刺激します。
その結果、子どもは、
「しょぼん…」と落ち込んでしまったり、
「またか…」と思ってスルーしてしまったり、
「もういいっ!」と感情がたかぶってしまったりします。
つまり、このとき、人間脳が働いていませんから、
この前言われたことも、
今また叱られたことも、
経験として次に活きないわけです。
多分、また同じことで叱られますよね。
「過去を持ち出す」は感情を刺激します。
よって第9位にランクイン!
第8位 否定語を使う
ダメ!
やめなさい!
走るな!
否定語って言いやすいんですよね。
言いやすいので、言うほうはクセになります!
でも、すでに予想がつくと思いますが、
否定語は感情脳を刺激します。
否定語は使いやすいだけに、
ここはグッと我慢をして、
感情脳を刺激しない言葉に置き換えましょう!
~してね。
走らないでね。
こういう言い方は、一見優し過ぎ、甘やかし過ぎのように思われがちです。
「もっとちゃんと叱るべきでしょ!」と思う人もいることでしょう。
しかし、脳の仕組みを考えれば、どちらが「子どものため」かは明らかです。
再度言いますが、否定語は感情脳を刺激します。
ということは、人間脳(おでこの裏)が働かないということです。
このことをよ~く考えてみてください。
「やめなさい!」と言われてやめた、
「走るな!」と言われてやめた、というのは、
言われたからやめた
というだけのことです。
考えたり、判断したりしてやめた、というよりは、
反射的・防衛的に行動を止めたというだけにすぎません。
怪我や命に関わるような場面なら有効ですが、
それほど重要でもない場面であるならば、
次に改善できるように「育てる」ことのほうが大切です。
これを「培う」とか「発達させる」とも言います。
もちろん時間はかかります。
子育ても学校の教育も、そんな簡単に子どもが変わるものではありません。
簡単に反応するのは動物脳・感情脳です。
おでこの裏(人間脳)の発達には時間がかかるのです。
何しろ20歳で完成ですから。
ということで、”否定語中毒”には気をつけたいものです。
第7位 脅す
「お父さんに言うからね!」
「晩ご飯ぬきにするからね!」
これが「脅す」です。
画面のお母さんを見てください。
怖い顔をして脅してますよね。
このお母さんの本心はわかりません。
もしかしたら、本気で言っているんじゃないかも知れません。
しかしですね。
我が子であれ、
子どもって本気に思ってしまうことが多いんです。
生きる本能が強い時代ですから防衛反応が研ぎ澄まされているんです。
「お父さんに言うからね!」にひとことで、
絶望感に襲われる子もいます(怖いお父さんだったらなおさらです)。
「脅す」という叱り方は、刃物のように危険な方法なのです。
ただし、刃物が便利な時もあります。
「お父さんに言っちゃおうかな~」
「クリスマスなしにしようかな~」
ニコニコ顔で、感情を刺激しないように言ったらどうなるでしょう。
葛藤する
どうしようかちょっと考えますよね。
「葛藤」です。
葛藤させたら「シメタ!」です。
もう人間脳にスイッチが切り替わった証拠です。
それが「迷う」という状態です。
「迷う」というのは「考えている」ということですから、
葛藤は人間脳を発達させます。
このお母さんのように上手に「刃物」を使えば、
おでこの裏を発達させることができるわけです。
言葉を使えるようになった1歳半くらいから葛藤はできます。
イヤイヤ期と重なります。
イヤイヤ期は、感情を言葉にして子どもに返してあげることが大切です。
うまくいくかどうかは別にして「考えさせる」というのが
脳を発達させる大切な勉強時間になるのです。
まとめ
※この講座では次の著書を参考にしました。
ダニエル・J・シーゲル『子どもの脳を伸ばす「しつけ」』