講座539 もっとお勉強したい!

3歳の孫の夏休みが始まりました。
里帰り中なので一日の生活に密着できます。
今年は孫に勉強を教えてみようと思って教材を準備していました。
先日、生まれて初めての「勉強」を体験させました。
その様子を解説します。
2.勉強は楽しい!
3.日本古来のお勉強①:復唱
4.現代のお勉強:フラッシュカード
5.日本古来のお勉強②:暗唱
6.子どもはみんな勉強が好き!
7.補足
8.必要なのは私たちの「意識」

1.孫に「勉強」を教える
使ったのは「くもんのことわざカード」3枚です。

・ときは かねなり
・おにに かなぼう
・月と すっぽん
1枚ずつ教えるのではなく、3枚というのがポイントです。
カードを見せて、私が「ときは」と言い、「言ってみて」という合図をジェスチャーで送ります。
孫は「ときは」と言います。
すかさず「すごーい!言えたね!」とほめます。
「じゃあ、ちょっと長く言うよ」と告げて、「ときはかねなり」と私が言います。
孫は「ときはかねなり」と言えました。
さっきより大袈裟に「言えた!」「すごいね!」と驚いてほめます。
「もう一回言えるかな?」と言って、「ときはかねなり」と私が言います。
孫は苦も無く「ときはかねなり」と復唱します。
これでフラッシュカードの学習方法が定着しました。

2.勉強は楽しい!
次は変化をつけてみます。
私「速く言うよ。ときはかねなり」
孫「ときはかねなり」
私「おお!」
孫の表情は実に楽しそうです。自信に満ちています。
私「じゃあ、白血球さんの声で。ときはかねなり」(「佐藤健」風の声で)
孫「ときはかねなり」と低い声で言う。
私「次は、赤血球さん!ときはかねなり」(「永野芽郁」風の声で)
孫「ときはかねなり」とまた低い声で言う。
この時、孫は「キラーT 」の帽子をかぶっていたので本人は「キラーT」だった。
カードを背中に隠したり、ソファーの陰から少しずつ登場させたり、何度か変化をつけて復唱。
これで「楽しい」は実感できた。

3.日本古来のお勉強①:復唱
次は2枚目のカードの登場。
1枚目と同じように私が「おにに」と言う。
孫は「おにに」と復唱する。
復唱の仕方は定着している。
次は「おにに かなぼう」と言う。
孫も言える。
これも変化をつけて数回繰り返す。
そして、3枚目。
「月と すっぽん」も同じようにやる。

4.現代のお勉強:フラッシュカード
そして、いよいよ3枚のカードを使ったフラッシュカードとなる。
通常のフラッシュカードのやり方である。
私(1枚目のカードを見せて)「ときはかねなり」
孫「ときはかねなり」
私(2枚目のカードを見せて)「おににかなぼう」
孫「おににかなぼう」
私「(3枚目のカードを見せて)「月とすっぽん」
孫「月とすっぽん」
完璧!
速くしたり、隠したり、ひっくり返したり…。
変化をつけて繰り返した後で最終段階へと進む。

5.日本古来のお勉強②:暗唱
私(カードを使わず)「ときは?」
孫「かねなり!」
私「すごーい!見ないで言えた!」
この時点で台所にいたバアバもびっくり!
私(カードを使わず)「おにに?」
孫「かなぼう!」
私「わあ!すごい!」
私(カードを使わず)「月と?」
孫「すっぽん!」
私「全部言えた!」
こうして10分足らずで暗唱まで出来てしまった。
ここで孫から次の言葉が出た。
「もっとお勉強したい!」

6.子どもはみんな勉強が好き!
しかし、ここでやめるのがポイントです。
私「今日のお勉強はこれでおしまいです」
勉強の目的は《ことわざを覚えること》ではありません。
《勉強は楽しい》ということを実感することです。
幼児は好奇心に満ちています。
学ぶことが大好きです。
世の中には、それを嫌いにさせてしまう負の制度がいっぱいあります。
年齢が上がれば、嫌でもその制度の中に放り込まれます。
多くの子どもたちが勉強嫌いになってしまいます。
でも、年齢が上がっても、子どもは学ぶことが好きなはずなんです。
幸い私は教員時代にそのことを実感できました。
《子どもは勉強が好き》という風景をたくさん見て来ました。
しかし、残念なことに今の日本では「教え方」を身に付けなくても教員免許が取得できます。
さらに、「教え方」を身に付けなくても教員採用試験に合格できます。
教員不足が進んでいますから、今後ますます「教え方」は問われなくなると考えられます。
どうしたらいいのでしょう?
せめて家庭では、《勉強は楽しいんだよ》ということを教えてあげたいと思っています。

7.補足
どうして孫は「もっとお勉強したい!」と言ったのか?
ここにも秘密があります。
生まれて初めての本格的なお勉強ですから、教材だけでなく、その第一声も準備しました。
この時、私は、孫とフラッシュカードをするにあたって、次のように呼びかけました。
「お勉強をはじめまーす!」
「お勉強」という言葉を意図的に使ったわけです。
ですから最後に「もっとお勉強したい!」となったわけです。
「お勉強をはじめまーす!」
→
勉強の楽しさを味わわせる
→
ちょうどいいところで終わる
→
「もっとお勉強したい!」となる
考えてみれば単純なことです。

8.必要なのは私たちの「意識」
世の中には《幼児期から勉強をさせるなんてトンデモナイ!》と考える人たちが未だに存在しているようです。
「早期教育」反対という考え方です。
しかし、このようなことを唱える方々は誤解していることがほとんどです。
どうも「お受験」のための早期教育をイメージされているようなのです。
つまり、学歴社会がまだ存在していると思っているのです。
私は数年前から《学歴社会は終わっている》と主張して来ました。
Xには次のような投稿も出ています。
御田寺圭氏はnote記事の中で「もはや『大卒でなければならない』という時代ではない。」と書かれていますが、まったくもってその通りだと思います。(出典:白饅頭日誌:7月26日「大卒(文系)オワコン時代が間もなくやってくる」)
いま必要なのは私たちの「意識」です。
勉強っていうのは《いい学校に行くため》にするものではありません。
人類にとって必要だからするのです。
私たちの幸せのためです。
そう考える大人が増えることによって、子どもたちの学ぶ環境が整って来ると考えます。
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