講座546 【解説】第一次反抗期

2.反抗期
3.意図的反抗期
4.無視や反発をする理由
5.心理的リアクタンスを“脳科学”で読み解く
6.適切な対応の仕方
7.ダメな対応
8.子育ての現状を俯瞰する
9.まとめ

1.お風呂に入りたがらない子
●相談内容(要旨)
子ども(3歳女の子)がお風呂の時間になっっても遊んでばかりいてお風呂に入りたがりません。
何度誘っても言うことを聞いてくれません。どのように対応したらよいでしょうか?
このお母さんには赤ちゃんもいるようで大変なようです。
お姉ちゃんが言うことを聞かない時は、仕方がないので赤ちゃんと先にお風呂に入るそうです。
リビングで遊んでいるお姉ちゃんに浴室から音声で「おいで~!」とアナウンスしたりするそうですが、まったく効果はないそうです。(イマドキのお風呂は浴室の中からリビングに音声が届くのですね!)
お父さんがリビングにいる時は、お父さんも説得するそうですが効果なし。
話を聞く姿勢すら見せずにブロックで遊んでいるようです。
これは完全に「無視」「反発」ですね。
3歳ということですので第一次反抗期なのでしょう。
まずは「反抗期」について復習しておきましょう。

2.反抗期
一般的に、反抗期には二種類あると言われています。
「第一次反抗期」と「第二次反抗期」です。
第二次反抗期は有名ですよね。いわゆる「思春期」です。
思春期には、《反抗期のある子》と《反抗期のない子》が存在します。
詳しくは、講座491「思春期は見守るだけ!」に書きました。
今回は第一次反抗期について解説します。
第一次反抗期と言えば、有名なのは「イヤイヤ期」です。
イヤイヤ期については何度も取り上げていますので検索窓で検索してみてください。
今回は、第一次反抗期の後期に見られる「意図的反抗期」について解説します。
こちらはあまり取り上げられることがないワードだと思います。
初めて聞くという方もいらっしゃるでしょう。
でも実は極めて重要な考え方が含まれています。
この講座で詳しく解説していきたいと思います。
その前に、反抗期の全体構造を確認しておきましょう。


3.意図的反抗期
「心理的リアクタンス」という言葉があります。
リアクタンスは「抵抗」という意味です。
電圧(V)と電流(I)と抵抗(R)の関係を示す法則に「オームの法則(V=I×R)」というのがありますが、
その「R」がリアクタンスです。
つまり、心理的リアクタンスというのは《心理的抵抗》ということです。
もう少し分かりやすく言いますと、
制限や強制をされてしまうと、抵抗や反発の感情が生じる現象のこと
を指す心理学用語です。
例を挙げますと、親から「宿題やりなさい!」と言われたら、「後でやろうと思っていたのに言われたのでやりたくなくなった!」と思ってしまうのが心理的リアクタンスです。
そして、この芽生えが3~4歳頃にあり、この時期の反抗期を「意図的反抗期」と私は呼んでいます。
ポイントは《わざと》反抗するという点です。
参考:「心理的リアクタンスが教えてくれる、人が反発したくなるメカニズム」unprinted(2024)

4.意図的反抗をする理由
次は、意図的反抗をする構造について解説します。
大前提は次のことです。
【理解のための大前提】
幼児が《コントロールされている》と感じたときに、反発・無視などで抵抗するのは、単なるわがままではなく、心の発達のごく自然な反応である。
これです。
「ごく自然な反応」です。
健全な反応、正常な発達と言っても同じです。
この大前提を理解してもらえないと、幼児への対応が《その場その場の思いつき》になってしまいます。
《対応に一貫性がなくなる》と言ってもいいでしょう。
次に重要なのは、反発や無視の価値です。
《反発や無視は発達のために必要な行動である》という理解です。
え? 価値があるの?
と思われるかも知れませんが、あります。
【反発や無視の価値】
① 自我・主体性の形成になるという価値
② 不当な支配に抵抗する力を育てるという価値
③ 人との交渉・折り合いの力を学ぶ機会になるという価値
➀の「自分の意思で動きたい」「自分で決めたい」という主体性は、将来的に自立や自己肯定感の土台になります。
《もう小学生じゃないんだから自主的に動きなさい》という言葉を発する中学校の先生がいますが、
いや、自主性って幼児期こそ大切な時期なんです。
体育館の正面に「自主自立」なんて言葉を掲げている中学校がよくありますが、
中学生の発達課題は既にその先です。
「自分らしさを見つけよう」です。
②の「不当な支配に抵抗する力」も幼児期から育ちます。
抵抗が働くことで《嫌なことは嫌と言う力(境界線を守る力)》が育ちます。
これは自己防衛・権利意識の始まりです。
この力も思春期から育つのではなく、既に幼児期から育ちます。
このことを裏付ける研究結果はたくさん出ています。
例えば、「心理的リアクタンスに対するメッセージ効果:メタ分析」Zixi Li, Jingyuan Shi(2025)など。
③の「人との交渉・折り合いの力」というのは《相互理解や合意形成のスキル》ということですね。
これは反発や無視をした幼児に《大人がどのような対話を持ちかけるか》という大人側のスキルが要求される場面です。
よくあるのは「あと3分でお風呂ね」などと見通しを与える対応。
「お風呂に行く前に、ブロック片付けられる?それともママと一緒に片付ける?」などと選択肢を与える対応。
「まだ遊びたいよね。でもお風呂の時間になったよ」などと気持ちを受け入れる対応。
こういった対話のスキルが必要になります。
しかし、こうしたスキルよりも重要なのは「反発・無視などで抵抗するのは、単なるわがままではなく、心の発達のごく自然な反応である」という理解であり、こうした行動には意味(価値)があるんだという理解です。
この理解がないと、対話が成立しなかった時に慌てたり、困ったり、怒ったりしてしまいます。
まずは、【理解のための大前提】と【反発や無視の価値】を頭に置いておきましょう。

5.心理的リアクタンスを“脳科学”で読み解く
次に、反発や無視が起きている時の幼児の頭の中を考えてみましょう。
3~4歳児は、大人から命令・強制を受けると《自由が奪われた=危険》として脳の扁桃体が活性化します。
それが島皮質に伝達されて《不快感》として感知します。
3~4歳児では、前頭前野が未発達ですので、この反応はほとんど自動的です。
この「自動的」というのが「素直」ということです。
つまり、「幼児が《コントロールされている》と感じたときに、反発・無視などで抵抗するのは、単なるわがままではなく、心の発達のごく自然な反応である」という【理解のための大前提】の根拠です。

ここでもう一つ理解しておかなければならないことがあります。
次のことです。
【報酬系の作用】自分で決めた遊びは快感になる。
大人でも同じですね。
この作用は幼児でも同様に働いています。
これは「報酬系」と言って、脳の中でドーパミンという快楽物質が分泌されている状態です。
《楽しい》とか《熱中》という状態です。
このドーパミンを放出しているのは側坐核を中心とした脳内ネットワークです。
この《報酬系の作用》はなかなか強力です。
何しろ《楽しい》わけですから。
この状態から《ストップ!》をかけられたらどうなるか?
「今は遊びたいのに“やめなさい”と言われた」というズレを感知し、前帯状皮質からストレス信号が発せられます。

多くの幼児はこのズレに対して抵抗します。
それが無視や反発です。
《自分で決めた遊びは快感になる》という報酬系の強い働きが生じているので、自分の行動を自分で切り替える(シフティング)することは幼児にとって簡単なことではありません。
また、《自分で選んだときに快感・やる気が出る》という脳のネットワークを発達させることは幼児の成長において悪いことではありません。
さあ、この脳の仕組みに対して大人はどうやって対応したら良いのでしょうか。

6.適切な対応の仕方
【理解のための大前提】と【反発や無視の価値】と【報酬系の作用】を理解していただけたという前提で話を進めます。
が、
念のために、この三つの前提を総括しておきましょう。

ではいきます!
➀見取り
まず必要なのは「見取り」、つまり《観察して状況を把握する》ということです。
見取り=観察+状況把握
観察する時は子供のどこを見ますか?
そうですね。表情、特に目です。
集中してるのか? ただの気分で言ってるのか? 疲れているのか?
表情を見た後で状況を把握しますよね。
逆に言うと、表情を見ないで対応するのはダメな対応ということです。
②判断
状況が把握できたら判断です。
判断には知識が必要です。
そうです。
大前提やその価値、脳内で起きていることなどの知識です。
しかし、それだけではありません。
お風呂の例で言うと、《今日は入った方がいいかどうか》を判断するには大人の知識が必要です。
《遊んで汗をかいたから入った方がいい!》とか、
《昨日も入っていないから入れなきゃ!》とか、
大人はそういう生活知識を持っています。
そういった《大人の知識》と《目の前の子供の状況》とを付け合わせて判断をするわけです。
もうひとつあります。
《大人の都合》です。
これも大事です。
幼児は遊ぶのが仕事ですが、大人には大人の都合があります。
《今のうちに入浴を済ませたい!》とか、
《これから出かけるんだから今入らないと!》とか様々です。
つまり、判断をするには次の三つのことが必要になります。
(a) 目の前の子供の状況
(b) 大人の知識
(c) 大人の都合
③対応・介入
ここでようやく実際の対応となります。
介入と言ってもいいでしょう。
このへんのスキルについては一般の育児書やネット上の情報などにも書かれていると思いますので省略します。
簡単に言うと、
気持ちに共感する → 必要な生活行動へゆるやかに橋渡しする
ということですね。
やり方はいろいろです。

7.ダメな対応
最後に、ダメない対応とその影響について書きます。
ダメな対応は《適切な対応》の逆です。
➀「見取り」をせずに対応する
「見取り」というのは《観察して状況を把握する》ことでした。
「見取り」をしないということは、《観察をしないので状況を把握しないまま対応してしまう》ということです。
具体的に言うと、顔、身体などに目を向けないということです。
キッチンの向こう側から声だけで指示しても、通じない場合があります。
それは「見取り」を抜かしているからです。
もちろん、忙しいのでそうしなければならない時はあります。
しかし、今は《適切な対応》について解説しているので我慢して読んでください。
子どもの顔や身体などに目を向けことで《状況》が分かります。
この《状況把握》があって初めて、《どのように対応するか》が決まるわけです。
ですから、見取りをしないで指示を発するのは、獲物を見ずにとりあえず森の中に乱射しているようなものです。
そりゃ《撃ち方》としてはダメですよね。
②「判断」を間違える
判断には知識が必要です。
第一次反抗期に対する理解ですね。
そして、生活上・健康上の知識もあります。
《生活リズムを守りたい》とか、《体を温めなければ風邪をひく》などです。
判断 = 目の前の子供の状況 + 大人側の知識
ここで問題になるのが「しつけ」という大人側の知識です。
多くの大人は次のようなことを考えます。
【A】遊びが優先される経験が続くと、家族の都合より自分のしたいことばかりする子になるのではないか。それはでは協調性や社会性が育たないのではないか。親がちゃんとしつけなければ!
確かに《自分のしたいことばかりする子》にはなって欲しくないですよね。
でも待ってください。
自分の欲求を我慢して行動を選択するという協調性や社会性は何歳頃に、どのような経験を通して、発達するのかを知っていますか?
そのことも検討した上での対応でなければ《適切な対応》とは言えません。
我慢や協調性を司る脳部位は前頭前野です。
前頭前野の発達は感情の発達よりも後で、しかもゆっくりです。
大雑把に言って、我慢や協調性は3~4歳頃に芽生え、5~7歳頃で形になり、思春期を過ぎてから整うといった感じです。
ですから、3歳の時点で《協調性や社会性が育たないのではないか》と考えるのは心配し過ぎです。
しかも、もっと重要なことがあります。
それは、協調性や社会性はどのような経験を通して発達するのかということです。
我慢や協調性は、「我慢しろ」とか「協力しろ」と命令されるて育つものではありません。
必要な経験はそれとは逆です。
安心できる人との関係の中での《待つ経験》《共感される経験》《感謝される経験》などの成功体験の積み重ねによって育ちます。
大人がしなければならないのは、そのような成功体験を意識的に積み重ねさせることです。
それが協調性や社会性を育てるために必要な大人側の知識です。
その上で、判断(目の前の子供の状況 + 大人側の知識)をするわけです。
次のようなことを考える大人もいます。
【B】親の言った言葉に従わない状態を放置すると、親の威厳がなくなるのではないか。子どもは《無視してもいいんだ》ということを学習してしまう。したがって、ちゃんとしつけなければならない!
これも多くの大人が心配することです。
学校の先生にもあります。放置したら《なめられるんじゃないか》《厳しく言わないと!》といった不安です。
これも冷静に考えてみましょう。
まず、強く言うのが良いかどうかを確認しておきましょう。
これは既に多くの大人が知っている知識だと思いますが、強く言って従わせる・叱る・怒るといった対応は《適切な対応》ではありません。
デメリットはたくさんあります。
①防衛反応(3F)が作動し思考や記憶がストップしてしまう
②親への恐怖・反発を招く
③自主性の低下
④嘘や隠蔽を招く
⑤怖い人には従うという学習
⑥怒られない範囲で行動するという学習
では、放置してもいいのでしょうか?
放置をすると、大人が心配している通りのことが起こります。
すなわち、《言うことを聞かなくても平気》《最終的に諦めるだろう》ということを学習させてしまいます。
では、どうするか?
放置でも、強制でもない。
そんな方法があるのでしょうか?
実は、そんな方法はありません。
放置と強制はコインの表と裏、二者択一だからです。
これは【B】という考え方自体の中に問題があるのです。
次の部分です。
親の威厳がなくなるのではないか?
「親の威厳」って何でしょう?
親の言ったことに従わせるのが「親の威厳」でしょうか?
私は、子育てにおいて「親の威厳」は必要だと考えます。
でも、それは子供の年齢とその時の出来事によると考えます。
威厳は、相手が感じるものです。
そして、多くの場合、大きな出来事とセットです。
《親の出番》とも言える大きな出来事において子どもが感じるものです。
そう滅多に起こるものではありません。
子どもがお風呂に入りたがらない、ブロックで遊んで親を無視している。
その状況で「親の威厳」が必要かどうかです。
従わせた時に、子どもが親に「威厳」を感じるかということです。
恐らく感じませんよね。
冷静に考えればわかります。
つまり、【B】の考えが頭に浮かんでいる時というのは冷静さを失っている時なのです。
子どもが指示に従わない、無視をするということに腹を立てているのではないでしょうか。
そうなると、ますます「威厳」どころではなくなります。
大人が感情的になって強く言っている対応は《デメリットだけの対応》になります。
更に、子どもとの勝負に負けたのなら《放置》したのと同じです。
《不適切な対応》を二重にしてしまうことになります。
それなら最初から何も言わない方がマシです。
積極的に遊ばせておくのは《放置》にはなりませんから。
つまり、従わせようとしたのは《判断ミス》ということです。

8.子育ての現状を俯瞰する
そんなことを言っても幼児との生活は腹が立つことばかりです。
幼児は遊ぶのが仕事であり、遊びが勉強ですから。
しかし、大人には大人の生活があり、都合があります。
食事を作って、食べさせて、片づけて、お風呂に入れて、歯磨きをさせて、寝る準備をさせる。
様々な場面で日常生活を管理しなければなりません。
ですから、自分の都合で遊んでばかりいる幼児と衝突するのは必然です。
つまり、日常生活は《判断の連続》です。
(a) 目の前の子供の状況
(b) 大人の知識
(c) 大人の都合
どれも大切なことです。
ただし、子育てには《適切な対応》が存在します。
先人から受け継いでいる伝統的な知見もありますし、発達心理学や脳科学の知見も存在しています。
でも、
多くの大人は(a)と(b)を疎かにしがちです。
そして、その理由は明らかです。
(a)が疎かになるのは、子育ての多くを一人の人間が担当しているからです。
本来、子育ては集団または複数が協力して行うものです。
ホモサピエンスが誕生した20万年前からずっとそうでした。
しかし、欧米を中心とした近代民主主義国家では市場経済により都市化・産業化が進み、家族形態は「核家族」が一般的となりました。
日本では、第二次世界大戦後からこの変化が起きています。
このことから、《現在の日本の子育ては歴史上最も母親一人にかかる負担が大きい》と考えられます。
「核家族」という家族形態は、歴史的に新しい現象であり、果たしてこのまま続くかどうか分かりません。
こんなに大変なら無理!、となって消滅する可能性もあります。
しかし、支援する社会システムが出来れば存続する可能性もあります。
いずれにしても、今の日本の子育ては、人類史上最も過酷な環境で行われていると考えられます。
そんなわけですから、幼児との生活に腹が立つのも当然です。
大切なのは、それを支援する仕組みがあるかどうかです。
ちなみに、現代でも狩猟採集生活をしている少数民族の生活形態は《拡大家族と集団での子育て》です。
また、イスラム圏でも、宗教的・文化的な背景から、《拡大家族と集団での子育て》が主流です。
核家族であっても、イスラム圏では親族のつながりが強く、頻繁な交流を通じて子育てを社会全体で支え合う基盤強いようです。
果たして日本の子育て形態はどうなるのか。
次に、(b)が疎かになる理由です。
それは子育ての仕方を学校で習わないからです。
戦後の日本は《拡大家族と集団での子育て》をなくしたわけですから、子育てを仕方をどこかで学ばなければなりません。
でも、第一次反抗期の仕組みなんて「高校・家庭基礎」の教科書には載っていません。
ですから知らなくて当然です。
目の前の子どもを見取って判断しようとしても、選択肢が少ないのです。
ですから、《判断できない》《不安になる》《判断を誤る》といった状況が一般的になります。
でも、未来の大人は違うかも知れません。
「あ、それは心理的リアクタンスですね!」
子育てをしている大人がそういう知識を持っている社会がもうすぐ来るかも知れません。
AIが登場しているからです。
AIを使えばそのような知識は簡単に手に入れることが出来ます。
ただし、AIの活用の仕方について日本の学校教育は後れを取っています。
むしろ、活用している子は家庭において使っている状況です。
そうなると《AI格差》が生じて、そのことが子育ての仕方にも影響して来るでしょう。
●相談内容(要旨)
子ども(3歳女の子)がお風呂の時間になっっても遊んでばかりいてお風呂に入りたがりません。
何度誘っても言うことを聞いてくれません。どのように対応したらよいでしょうか?
すみません。話が大きくなってしまいました。
最後にまとめます。

9.まとめ
3歳という年齢を考えると、その反応は「第一次反抗期」の特徴だと考えられます。
この時期の反発や無視は心の発達のごく自然な反応です。
相手の立場にたって考える「他者視点」の発達は4歳前後からです。
3歳はその前の段階ですから、自己中心性が強いのが自然です。
「自分のしたいこと」が大切に感じられる時期と言ってもいいでしょう。
従って、これは反抗ではなく、主体性を形成するプロセスであり、健全な自立・自己肯定感の土台を作っているのだと理解しましょう。
その上で、大人とぶつかりながら、少しずつ《我慢・折り合い・切り替え》といった自己調整力を身に付けていくことも大切になります。
ですから、親から指示することは間違っていません。
そして、指示を出したなら《一貫性》が必要です。
ただし、ここで言う《一貫性》とは、指示を強制することではありません。
「お風呂に入って欲しいんだけどなあ…」とか、
「今日は汗をかいたからお風呂に入って体をキレイにしなきゃね」とか、
安心の中で声をかけ続ける《優しい一貫性》です。
これは放置でも強制でもありません。
この対応で、最終的に親の言うことを聞かなかったとしてもデメリットは生じません。
①様子を見取る
②気持ちに共感する
③ 必要な生活行動へゆるやかに橋渡しする
④ダメならあきらめる
これだけです。
安心の中で声をかけ続ける《優しい一貫性》はデメリットがゼロです。
それどころか、この対応こそが「親の威厳」を感じることにつながる可能性すらあります。
①~④の対応を通して、やがて子どもは「心の理論」を獲得し、優しい「他者視点」を身に付けます。
講座547 【第一次反抗期】現実は難しい




子どもを観て声をかけていれば、また叱ったり怒ったりしてなければ、子どもが親に従わなかったり無視しても問題ないということですね。
しかし、何日もお風呂に入れず、体を掻きむしったりおしりが赤く腫れたりしているのを見ると悶々としてしまいます。
これを読んだ直後にも、もう子どもに怒鳴り散らしていました。
理想はわかっていても現実は難しいものです。
コメント有り難うございます。
次の講座にて答えさせていただきました。
https://win3.work/lecture-547/