理想の学校・ブラックな学校 本の紹介

『宿題をハックする』

投稿日:2020年5月2日 更新日:

副題:学校外でも遊びを促進する10の方法

帯:「シュクダイ」と聞いただけで落ち込んだ…そんな思い出にサヨウナラ

今回ご紹介するのは、スター・サックシュタイン+コニー・ハミルトン著『宿題をハックする』(新評論)です。折り目32カ所。谷和樹さんという大学の先生から紹介してもらって読みました。

「ハックする」というのは「ぶった斬る」という感覚でしょうか。日本には宿題をぶった斬ってくれる本や人が少ないので、「待ってました!」という意気込みで読みました。

著者の二人はニューヨークの教育委員会に勤務する職員で、サックシュタインは指導課長です。教育委員会の人が宿題をぶった斬るなんて、日本では考えられないことですよね。

私は教員時代に宿題をなるべく出さないようにしていました。「なるべく」というのは、勤務する学校によっては学校全体や学年によって宿題を出すように決まっていたりするからです。担任の判断で出さなくてもいい場合は出していません。でも、組織として出すことに決められている場合は出さざるを得ませんでした。その場合、中身は自分で工夫してましたけどね。

「訳者あとがき」を少し紹介して終わります。

宿題とは、何のためにあるのでしょうか?これまで日本で出版されてきた宿題に関連する書籍を読んでみると、機械的な暗記を求めるものや、授業で押さえきれなかったことに取り組ませようとするものがほとんどでした。

そのため、生徒にとっては、宿題は興味関心を惹きつけるものでも、学びが広がったり深まったりするものでもなく、「仕方なくやる/やらされるもの」というように、負のイメージを描いてしまうものでした。そのような宿題を出し続けても、生徒がより良い学習習慣や資質・能力を身につけるはずはありません。「学習/勉強は苦役である」というイメージを上塗りしているだけ、とさえ言えます。

こうしたなか、近年では宿題に代わって、あるいは宿題に加えて、自学ノートに取り組ませることで学習習慣を充実させようとする動きが広がりつつあります。小学校を対象としたものを中心に、いわゆる「自学ノート」に関する書籍が何冊も出版されています。

これらの書籍のほとんどが、学習内容こそ生徒に選択させているとはいえ、「やる/やらない」を選択する余地は生徒になく、「毎日学習(提出)する」ことを原則としています。さらには、「学年×10分以上は学習する」とか、「最低〇〇ページする」といったように、取り組んだ時間やページ数という量が強調されています。(258ページ)

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