『インターネットの次に来るもの』

副題:未来を決める12の法則

今回ご紹介する本は、ケヴィン・ケリー著『インターネットの次に来るもの』(NHK出版)です。

シンギュラリティ(人口知能が人間の能力を超えるとされる時期で2045年と予測されている)も含めて、未来を12のキーワードで解いていく本です。その時代に生きている当人には時代の変化が実感できないと言われます。未来の子どもたちが歴史を勉強するときには、今私たちが生きている2020年は歴史的大変革の時代なのかもしれません。普段は感じませんが、今、確実に起こっている変革に様々な視点から気づかせてくれる本です。

あなたが朝起きた瞬間から、ウェブはあなたの意図を読み取ろうする。(37ぺ)

その日の気分にあった朝食が調理されはじめ、その日の天候やスケジュールに合わせた服が用意され、その日の会議に出席するメンバーの顔画像と情報が壁に映し出されるといったようなことをAIがやってくれるようになる未来が描かれています。

AIが人の考えていることを先取り認知することを「コグニファイ」と言います。聴きたい音楽がコグニファイされます。洗濯物がコグニファイされます。患者さんもコグニファイされます。自動車運転もコグニファイされます。Googleなどは私たちが調べたいことを予測して調べてくれますよね。Amazonも読者好みの本を「こんなのありますよ」と提示して来ます。それがコグニファイです。

この本にはこうしたキーワードや既に開発されているアプリや機器などが多数紹介されています。

たとえば、Vine(バイン)というアプリです。スマホなどで撮影した動画を6秒間の短いものにしてシェアするアプリです。ジョークや事件・出来事などは6秒あればすべて編集しシェアできるという発想で作られ、既に広がって来ています。

たとえば、Narrative(ナラティブ)という小型カメラ。1㎝角の大きさしかなく、身につけて一日中を撮影するものです。これがあると、その日、誰に会ったか、何を話したかなどすべてが記録されます。仕事だけではなく、その日見たきれいな景色も画像や動画として取り出すこともできます。これが毎日残っていくとすれば、自分の人生すべてが保存されるようなものです。

私は「育児書」としてこのような近未来に関する本を積極的に読むようにしています。その理由は次のことにあります。

子どもは未来を生きるから。

未来は、私たち大人が生きている時代とは異なることでしょう。変化は必ずあるはずです。しかし、幼児や児童には、近未来を予測するだけの学力が十分に備わっていない場合がほとんどです。備えには大人が関わるしかありません。では、どうかかわるか。押し付けるわけにはいきません。未来ですから不確かです。かといって、無関心でいると乗り遅れてしまう心配もあります。では、どうしたらよいのでしょう。 私の答えはシンプルです。

とりあえず、大人が知っておく。

それだけです。それだけなのですが、それが役立つ時が来たり、間接的に子どもに影響したり、どこでどうなるかはわからないものです。「知は力」です。世の中の動向を知ることも「子育ての力」になると思っています(特に父親はこういう分野に強い人がいるのでオススメします)。

また、未来に対する「感覚」ならば、大人より子どもの方が上を行っている場合が少なくありません。アニメやゲームなどがその情報源になっていたりします。そう考えると、むやみにそれらを禁止するのも考え物です。今の大人はスマホなしの生活では不便を感じるでしょう。ということは、子どももいつかそうした機器を使わなければならないということです。私はゲームをまったくしませんが、ゲームを全否定するつもりもありません。この本は折り目61カ所でした。

水野 正司

子育て応援クリエイター:「人によし!」「自分によし!」「世の中によし!」の【win-win-win】になる活動を創造しています。

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